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「R62号の発明」の感想

 投稿者:hirokd267  投稿日:2016年 7月26日(火)02時52分48秒
返信・引用
  先のKAP読書会で一通り述べられたことと思いますが、私の感想を書いておきます。

・文体について…はじめ、自殺する場所を探すという深刻な事情なのに、ユーモラスな表現で軽妙に進められます。これはさらにアルバイト学生の指示で事務所に行き、契約をして脳の手術をするまで続きます。そしてテストも済んで国際Rクラブの第一回大会で、所長があいさつをするところでは、戯画的な表現に。次に高水社長に引き合わされるあたりから一転してシリアスな表現となり、7か月後、R62号が自分の発明した機械の報告では淡々とした言い方です。ところが社長が機械に取り込まれてからはこれまでとは一変した息をもつかせぬスピードで、それだけ恐怖感が増していくという、全体の構成になっていると思います。

・R62号君の心情について…R62号君はロボットですが、身体は機械ではなく脳にアメリカ製の装置を組み込まれただけです。そのせいか、指示には素直であるけれども、秘書の花井に心を寄せたり、窓の外の赤旗とプラカードの列に心を乱されたりします。このことはあとで読みに影響するかも知れません。

・社会情勢の表現…国際Rクラブの第一回大会で、所長があいさつに「R」の意味がロボットであるほかにも、「レイスすなわち人類のR(今ならレイシストのR)、ルール並びにレインすなわち支配と権力のR・・」とあらゆる社会悪と国家悪を上げていくのですが、その中にいくつもの現代的な問題が含まれているのは驚くべきこと思いました。いわく、復古、植民地復活、右翼、産業合理化、再軍備、情報入手・・・のRというわけです。
当時昭和28年として、まだサンフランシスコ講和で独立して2年、もう復古と戦争への流れを安部公房は感じ取っていたということでしょうか。  いや、権力は戦前となんら変わっていない、という危機感かもしれません。そう考えると、前項の「脳にアメリカ製の装置」はR62号だけでなく、政財界の支配層の脳にも組み込まれているのが現状ではないか、と思えてきます。ひょっとして私たちの脳にも?

・なんのためにその機械をつくったのか…R62号君の説明によれば、Rクラブの綱領(つまりは経営者・支配者の求める)に従い、「コストの安い人間(労働者)をふんだんに強制的に使う機械」を発明した、と。だがこの機械は「もぐら叩き」ゲーム機のように、即座の反応を要求します。ゲームでは得点を加算していく喜びがありますが、この機械は指が切れていく減算のゲームです。だからゲームの楽しみは当然なくて、喜びのないゲームは無目的の苦痛の作業と変わりありません。それは近代労働の本質です。労働者は「何のために何を作るか」を知らずにただ「作る」こと自体が目的の作業をしなければなりません。その代価として生命維持(生命の単純再生産)を辛うじてなし得るか、または現在問題になっているブラック企業のように身を切り刻んでいくか、になります。安部公房はこの近代労働の本質をしっかり捉えてここに表現した、と思います。

・R62号君は社長に復讐したのか…社長はかつてR62号君をクビにした。社長はこの機械に取り込まれてしまい惨死してしまう。これはR62号君が社長に復讐したのだろうか?復讐したとすれば、これはアシモフの ロボット三原則「 人間への安全性、命令への服従、自己防衛」の第一項に反していることになるのか? これを見るに、R62号君は命令にはしごく従順で、反抗的な態度はほとんど示していない。機械を発明するにも、純粋に完全を目指したであろう。それが技術者魂というべきものに違いない。ゆえに復讐の気持ちはなくて偶然に社長が機械に取り込まれてしまったと思いたい。だが、安部公房がこのような設定をしたこと自体が、労働者から資本家・経営者への反逆を表している、と言えなくもない。前記の花井や外の労働者への気持ちという人間的な面の表出を重く見れば、ロボット三原則を超える(つまりはR62号は本当のロボットではなかった?)ということになるかもしれない。

以上、「R62号の発明」の感想でした。ご意見歓迎!

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1000004&tid=0bit8xkbc&sid=1000004&mid=1&type=date&first=1

 
 

『R62号の発明・鉛の卵』読書会

 投稿者:アレン  投稿日:2016年 5月29日(日)11時03分13秒
返信・引用
    お世話になります。アレン(岡)です。
    7/18(月・祝)13:00に高槻市立文化会館(いつもと違うのでご注意を!)にて、
    『R62号の発明・鉛の卵』読書会を岡田さんとともに開催します。

    『水中都市・デンドロカカリヤ』に続き、二回目の短編集となります。昭和28年-32年にかけて発表された本作の中から、表題作「R62号の発明」と「鉛の卵」、さらに時間があれば「棒」を取り上げる予定です。

    開催要項の詳細は、以下をご覧ください。
    http://w1allen.seesaa.net/article/438120506.html

    初参加も大歓迎です。課題本を読んでいただければ、誰でも参加申し込みいただけます。
    「KAP読書会について」や前回の読書報告を参考にしていただければ、幸いです。
    http://w1allen.seesaa.net/
    から読めます

    貴方の来訪を心よりお待ちしております。

    また、ネット中継もします。
    http://www.ustream.tv/channel/9p4MS4HaSRf

    過去の録画は、
    https://www.youtube.com/user/w1allen/videos?
    でご覧になれます

    ー読書会という舞台装置が、他者への通路を開くキッカケになることを夢見てー

    では、失礼します。

http://w1allen.seesaa.net/

 

Re: 『第四間氷期』読書会

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 4月16日(土)23時05分7秒
返信・引用
  > No.270[元記事へ]

大熊さん、hirokd267さん
レスが遅くなってすみません
私事雑事に追われて、なかなか集中できませんでした
それとhirokd267さんに対話の態度を窘めれて、日頃の自分の言動を振り返っていました(^_^;)
お二人が仰っていた、「書かれたことからのみ感じ、判断したい」という姿勢や精神に今一度立ち戻る必要があるなとも思いました。
でも、不在の時に、書き込んで盛り上げてくださって、非常に有難いと思っています。

ーーー引用開始ーーー
しかし、私たち読者が共感を持つのは、権力者側に立つ少数の海底開発協会の人々ではなく、平凡な未来を夢見る一般大衆側ではないかと思うのです。
ーーー引用終了ーーー
と述べましたが、hirokd267さんの仰るように現時点の権力ということを考えると、むしろ勝見の方が権力者側に立つことになりますね。この辺が、大熊さんが言う本作の「分厚い重層性」なんだなと思いました。対立軸を引こうと思っても、なかなか綺麗には引けないところが、却って面白いと思います。

勝見博士も「風に憧れる少年」も結末部分で死を示唆させる描写がありますね。しかし、だからと言って、二人は同質とは限りませんね。(ある種の共通性はあるにしろ)
hirokd267さんは、「風に憧れる少年」に対して、「この作品の中で唯一の人間らしさを感じた」と。そして、勝見博士に対しては、「あえて同情すべきではなく」と。
この辺の読み方が、面白いなと思います。

http://w1allen.seesaa.net/

 

Re: 『第四間氷期』読書会

 投稿者:hirokd267  投稿日:2016年 4月15日(金)02時17分48秒
返信・引用
  大熊さん

こちらこそよろしくお願いします。読書会が終わってもこうして交歓できるのはうれしいですね。「二度おいしい!」とはこのことです。
大熊さんがこちらに書き込んでくださって、アレンさんや私もからんでいくと、この掲示板も盛り上がって、アレンさんは大喜びでしょう(笑)。
私としては読書会では断片的にしか言えなかったことも、ここでまとめることが出来ました。
この上は読書会に参加した方やそうでない方もご意見を書いてくださればありがたいです。
また大熊さんがtwitterでこの掲示板への書き込みを伝えてくださり、私もそれに倣ってtwitterしてみましたら拡散して下さる方がありました。ありがとうございます!

私の読み方に共感して下さったのもありがたいです。
作品の登場人物に、読者のそれぞれが共感し思い入れをする人物を抱くのはあっていいのですが、それも基本的にまっとうな読み方をしたうえでのことでしょう。そしてその読み方は作品の深みや新たな視点を生み出すこともありますね。その点では私はまだまだです。

「風に憧れる少年」は人によっていろいろにとらえられるでしょうね。
私はこの作品の中で唯一の人間らしさを感じたのですが、でもそれは憧れるような人物でもない。また単に「個体発生は系統発生を繰り返す」ということを体現してしまった、ということにもとどまらない。このエピソードは、この作品を「メルヘン」としてロマンとして成り立たせる働きはしているでしょう。そして私はあえて解釈せず、郷愁とともにこの少年の夢を自分の心の中に抱いておきたいと思います。このへんは他の方の意見も聞いてみたいです。


 

Re: 『第四間氷期』読書会

 投稿者:大熊  投稿日:2016年 4月14日(木)18時29分22秒
返信・引用
  > No.267[元記事へ]

hirokd267さん

こちらの掲示板でもよろしくお願いします。
さて、勝見博士の作品内の位置をどう見るかですが、おっしゃるとおりだと思います。
先日の読書会では、みなさん(もちろん私も含めて)ちょっと流されてしまったかもしれません。
 情的に流されてしまったことで、勝見の、

>妻に対して冷淡で無理解/封建的家父長の感覚/無理解な親/弱さではなく権力的/
と岡田さんが列挙された「あえて同情すべきでは」ない要素を無意識に見落とし(もしくはあえて見ないふりし)てしまっていたことに気づかされました(本当に下の書き込みを読んではっと気づかされたのです)。

>読者としてはそこを割り引いて冷静に読まなければならない。
そのとおりですね。引き戻していただきありがとうございました。

小説は虚構といえども世界を構築するわけですから、その世界にはいろんな性格や主義信条の持ち主がいて、互いにぶつかったりくっついたりするわけで、勝見博士もそんな登場人物の中の「ひとり」として作品内に存在させられている。
その「ひとり」である人物に共感するのはそれぞれの読みで一向構わないのですが、自分の共感性を以って、それこそ安部公房の感じていたことだと断じてしまうのはたしかに問題でした。
その意味で、

>書かれたことからのみ感じ、判断したい
というのは、まさに小説読みの基本中の基本ですよね。肝に銘じたいです。

>「風に憧れる少年」
について、読書会前はどう解釈したらよいのかわからなかったのが、読書会を経て、なんとなく分かった気になっていたのですが(それは情に流されていたわけですが)、今また分からなくなってしまいました(^^;。
すこし日を措いて、読み返してみたいと思います。
 

Re: 『第四間氷期』読書会

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 4月13日(水)22時30分39秒
返信・引用
  自分の意見を通すことに注力してしまって、相手の意見を充分拾っていなかったかもしれません。
文学の解釈にかぎらず、自他の一致よりも寧ろ相違の相互理解の方が大事だと思っていたのですが・・・
『第四間氷期』の具体的な解釈については、後日します。

http://w1allen.seesaa.net/

 

『第四間氷期』読書会

 投稿者:hirokd267  投稿日:2016年 4月13日(水)03時57分42秒
返信・引用
  大熊さん、アレンさん、深い議論を読ませていただきました。ありがとうございます。
私の読書会の感想・自戒としては、思いを十全に伝えるのはなんと難しいのだろう、ということで、これはいつも感じることです。

さて、この作品については安部のノア思想を過剰に読み込むことは避けたい、この作品に書かれたことからのみ感じ、判断したい、というのが私の立場です。そうでないとノアに邪魔され、本来の読みをゆがめられますよ。また作品の出てくるモチーフにリルケの痕跡を見ようとし、それで何かを説明した気になる人々とあまり変わらないのではないか、と。うんちくはほどほどにしないと。

このような立場からは、例えば最初にアレンさんが書いておられる「権力者側に立つ少数の海底開発協会の人々」とか「平凡な未来を夢見る一般大衆側」の勝見博士、という見方は偏っていると見えます。確かに私は共産党の職場細胞の組織に言及しましたが、これはウラの組織です。未来に権力を持ち得ても現時ではウラであります。一方勝見博士は現時において権力の側にありますし、あとで言うように一般大衆側でもありません。

勝見博士に共感する方が多かったということですが、この作品が勝見の側から書かれていることを忘れてはなりません。それゆえ勝見に共感・同情しやすい作品構造で、読者としてはそこを割り引いて冷静に読まなければならない。
すると勝見は妻に対して冷淡で無理解な封建的家父長の感覚であり(読書会で触れました)、自分の子孫が自分の納得できない社会に生きようとすることを認めず、殺そうとさえする無理解な親でもあります。これは弱さではなく権力的でさえあります。ですからあえて同情すべきではなく、またそうだからこそ、最後に殺されることもそれほど悲劇的ではないのです。私たちは勝見の死に際し、自分の古い残滓を一緒に葬り去るべきでしょう。

一方、頼木らも人間的な感情はまったく表現されていません。共産党であろうとなかろうと、未来を託すべき勢力が(それは歴史的必然であるとしても)これでは、魅力を感じることはできない。
つまり私たちは過去からも道を断たれ、また未来へも「希望」を見ることはできない状況に置かれている。「風に憧れる少年」のごとくにさまよっているわけです。

この状況の深刻さに気づかされれば、では私たちはどうすればよいのか。それを問いかけられているわけですが、現代でもこの問いは有効で、安部公房の作品の場合、やはりここをじっくり考えるべきなのでしょう。
ヒントは示されていると思います。「断絶」にもかかわらず「未来」は到来する。ならば人間的に「未来」を作る側に参画するか、それができなくても、少なくとも未来に開いた「窓」を自分の中に持つ、ということではないでしょうか。もちろん読む人によって感じ方、考え方は異なると思います。

長々と失礼しました。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1000004&tid=0bit8xkbc&sid=1000004&mid=1&type=date&first=1

 

Re: 掲示板名の変更

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 4月10日(日)20時40分58秒
返信・引用
  > No.265[元記事へ]

hirokd267さん

「引用・返信」ボタンつけたほうがいいみたいですね。
掲示板名の件は、私もいろいろと考えます。
私の思いとhirokd267さんの思いに乖離があったのは事実だし、これから摺り合わせして修復しなければならないと思っています。
ただ、安易に変更してしまったのは事実だし、これからはもっと話し合う必要があるなと反省はしています。
これからもよろしくお願いします。

http://w1allen.seesaa.net/

 

Re: 掲示板名の変更

 投稿者:hirokd267  投稿日:2016年 4月 9日(土)00時11分35秒
返信・引用
  > No.264[元記事へ]

ながらくご返事できなくてすみません。

このスタイルの方が、自分でもどのコメントに対応しているのかわかりやすくてよいですね。
不要ならその部分は消せばよい、と。
もちろん手動も使えます。

私もこれから書かせていただきます。


> hirokd267さん、こんにちは
> 「Re=返信」ボタンは、管理者設定でOFFにしていましたので、手動やコピペで、「Re:hogehoge」としてもらうしかなかったのです。
> 今、管理者設定で、「記事の返信・引用」ボタン(投稿の右上に出ます)を付けました。いかがでしょうか?
> teacupでは、何故か、返信と引用を切り分けて設定できないようなのです。
> 掲示板名の変更については、説明が足りなかった部分もありましたので、メールします。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1000004&tid=0bit8xkbc&sid=1000004&mid=1&type=date&first=1

 

Re: 掲示板名の変更

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 3月28日(月)06時47分43秒
返信・引用
  > No.263[元記事へ]

hirokd267さん、こんにちは
「Re=返信」ボタンは、管理者設定でOFFにしていましたので、手動やコピペで、「Re:hogehoge」としてもらうしかなかったのです。
今、管理者設定で、「記事の返信・引用」ボタン(投稿の右上に出ます)を付けました。いかがでしょうか?
teacupでは、何故か、返信と引用を切り分けて設定できないようなのです。
掲示板名の変更については、説明が足りなかった部分もありましたので、メールします。

http://w1allen.seesaa.net/

 

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