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Re:安部公房とノア

 投稿者:大熊  投稿日:2016年 3月27日(日)16時14分30秒
返信・引用
  アレンさん
ご示唆ありがとうございます。
安部公房はエホバをどうおもっていたのか、ということを、実は考えたことがありませんでした。
アレンさんの論考を読ませていただき、はじめて、公房が(自覚的に)エホバに何かを付託していたことに気付かされました。
アレンさんは大変重要なことを指摘されていると思います。

『第四間氷期』の、一種の「ブレ」は、まさに公房のエホバ観の「ブレ」(でなければ重層性)に発しているものですね。
そのエホバ観は決して一義的なものではなく、相矛盾するものなんだと思います。
その点について、無理なつじつま合わせをせず、思いつくままに挙げてみます。

『第四間氷期』での公房の意図は、まずは一般市民の(エホバの)「羊」性への、苛立ちを伴った断罪であると思います。
その意味では予言機械(方舟)は肯定されている。

ところがそれとは位相を異にする別のスフェアでは、その選民性は否定されるものとして把握されているのではないでしょうか。
それは具体的には、日共のアナロジーになっているわけです(岡田さんが読書会で「細胞」に言及されました)。というかそのアナロジーに引っ張られてしまっている。
党の無謬性が絶対的だったのは『されど我らが日々』で扱われていましたが、予言機械も頼木グループはそのように(無謬であると)みなしています。

それと少し視点がずれますが、選民性は労働者は無自覚な労働者から自覚的なプロレタリアートに「変化」しなければならないという意味もあるはずです。これは上記の「羊」への苛立ちよ相関です。公房の中では「選民性」にその意味も含まれていたと考えられます。選民性の意味内容においても、ブレ乃至葛藤(否定のなかに肯定)があるはずです。

やはり本書成立に、共産党体験が大きく関わっていると言わざるを得ません。もとよりその個別的体験を、もっと一般的な命題に昇華しようとした試みであることは言うまでもありません。
共産党体験に戻せば、日共という組織の選民的性質は否定するも、共産主義という思想自体は肯定せざるを得ない。その二種は別位相のことではありますが、やはり関係的にしか考えられないのが、この時代の人間であるとも言えそうです。
――といつのまにか思考のおぼえ書きになってしまいました。すみません。
 
 

安部公房とノア

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 3月27日(日)13時53分13秒
返信・引用
  大熊さん

作者がその特権に溺れるかどうかで、作品の出来栄えはがらりと違ってくるのでしょうね。

方舟思想ー映画「生きものの記録」[エッセイ](全集5巻)
ノアの系譜
『第四間氷期』に対する感想
と3つノアの記事を書いたことがあります。(いきなり、リンクばかりですみません(^_^;))

安部は、ノアの方舟の物語を憎悪していました。また、何故ノアが選ばれし人物であるのか記述のない聖書に苛立ちを感じていました。
選民思想に繋がる危険な匂いを感じていたからではないでしょうか?

昔、本作を読んだとき、予言は預言と読み替えられるのではないか?と思いました。ノアは預言を聞いて、方舟を作りました。ノアに当たる人物である勝見は、予言=預言を聞いて、それができなかった。むしろ、方舟の存在をばらす方向に出て、頼木たち海底開発協会のメンバーに始末される運命になる。
洪水という未来は変えられないのかもしれないが、最後に「風の音楽」に憧れる少年を登場させたことで、本作の価値はさらに高まったと思っています。

http://w1allen.seesaa.net/

 

Re:『第四間氷期』読書会

 投稿者:大熊  投稿日:2016年 3月27日(日)13時08分56秒
返信・引用
  アレンさん
 お返事ありがとうございます。
 『死に急ぐ鯨たち』の該当ページを読み返してみました。

>>小説ってそんなものなんだよ。何でもが作者の勝手になるわけじゃない。

 小説はメッセージではないということですよね。作家は一旦作中人物が動き始めたら、いかにそれが作家にとって困ったことだったとしても、また不条理であろうと、彼らの論理に付き合わなければならないということですね。それこそが「小説」なのでしょう。
 そこが平凡な作家では、そうなり始めたら無理やり作者の特権で捻じ曲げてしまうんですよね。読書会でもどなたかがおっしゃっていましたが、そうすると小説は薄っぺらくなってしまうわけです。
 『死に急ぐ鯨たち』を読み返していて、海面上昇での陸棲人(文明)壊滅に「ノアの大洪水」がイメージされていたことを知りました。まったく気がつきませんでした。ノアの洪水こそ、ノア以外のすべての人間の微視的連続感を断罪する(神話的)出来事だったんですねえ。
 

掲示板名の変更

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 3月26日(土)21時13分53秒
返信・引用
  「安部公房掲示板」から「貝殻草と贋魚」に変更しました。
前者ではあまりにひねりがなかったかと思ったのが理由です。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

Re:『第四間氷期』読書会

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 3月26日(土)21時06分32秒
返信・引用
  大熊さん

来ていただいて、うれしかったです。前回は、台風で交通機関の遅延があったんですよね。今回は、過去最多の参加人数となり、大きな収穫となりました。

勝見博士の弱さに共感される方が多かったですね。私もその中の一人でした。
微視的連続感に埋もれるものとして、主人公は、「未来の側」から裁かれなければならない。しかし、私たち読者が共感を持つのは、権力者側に立つ少数の海底開発協会の人々ではなく、平凡な未来を夢見る一般大衆側ではないかと思うのです。勝見博士は、どちらかというと後者の側であり、そこに共感を抱くのではないでしょうか?

また、「風」に憧れる少年について、安部公房が以下のように述べています。
ーーー引用開始ーーー
そいつがどうしても、空気が恋しくてー風の音を聞きに陸地に上って、空気に溺れて死んでしまうわけだけど、ぼくにとって否定的存在なのか、肯定的存在なのか、最後まで決めかねて非常に困らされた。実は今になっても心が揺れ動いているんだ。小説ってそんなものなんだよ。なんでもが作者の勝手になるわけじゃない。一つの小説の中で、対立する両方の登場人物に同時に共感してしまうことだってあるわけだ。そこが評論の世界とは根本的に違うところなんだろうね。
ーーー引用終了ーーー
(『死に急ぐ鯨たち』、新潮文庫、P111)

少年は、作者安部公房の掌から外れて、自律して動き始めたのではないでしょうか?本作は、多種多様な考えを持つ登場人物が登場し、物語としての厚みのある作品だったと思います。

次回のご参加を心よりお待ちしております。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

Re:『第四間氷期』読書会

 投稿者:大熊  投稿日:2016年 3月25日(金)22時58分2秒
返信・引用
  こんばんは。読書会ではお世話になりました。
読書会というものがはじめてで、最初は不安でしたが、とても楽しくて4時間があっという間でした。二次会も楽しかったです。
岡田さん、アレンさん、出席者の皆さんに感謝いたします。
本会でとりわけ興味深かったのは、公房が弾劾すべき人物として描いたはずの勝見博士に、過半数の出席者が共感を示されたことです。
これは「第四間氷期」が単なるメッセージ小説ではなく、分厚い重層性をそなえた、まさに「小説」であることの証左なんだろうなと得心しました。
そういうことを考えながら帰宅したのですが、ふと、公房は本当に勝見博士(に代表される微視的連続感に埋没する人類)を弾劾する気があったのだろうか、と思えてきたのでした。
そうするとラストの「風」に憧れた少年の描写も、また異なった視点から見直せそうな気がしてきました。
そういう意味でもとても示唆に富んだ読書会でありました。ありがとうございました。
次回の「R62号の発明」も私の大好きな作品の一つです。是非参加したいと思います。宜しくお願いいたします。
 

『第四間氷期』読書会

 投稿者:w1allen  投稿日:2016年 2月24日(水)20時20分24秒
返信・引用
      お世話になります。アレン(岡)です。
    3/21(月・祝)13:00にいつもの京都市右京ふれあい文化会館にて、
    『第四間氷期』読書会を岡田さんとともに開催します。

    本作は、1958-59年に雑誌『世界』に発表されたSF長編で、予言機械とその製作者勝見博士を中心に物語が動きます。未来が現在の単なる延長ではない場合、その残酷さに人間は耐えられるのだろうか?そこも一つの論点だと思います。その他、自由な対話ができればいいなと思っています。

    開催要項の詳細は、以下をご覧ください。
    http://w1allen.seesaa.net/article/433078213.html

    初参加も大歓迎です。
    「KAP読書会について」や前回の読書報告を参考にしていただければ、幸いです。
    http://w1allen.seesaa.net/
    から読めます

    貴方の来訪を心よりお待ちしております。

    また、ネット中継もします。
    http://www.ustream.tv/channel/9p4MS4HaSRf

    過去の録画は、
    https://www.youtube.com/watch?v=imJR4duxNr8
    でご覧になれます

    ー読書会という舞台装置が、他者への通路を開くキッカケになることを夢見てー

    では、失礼します。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

『水中都市・デンドロカカリヤ』第二回読書会のお知らせ

 投稿者:w1allen  投稿日:2015年 9月30日(水)06時57分54秒
返信・引用
  第8回関西安部公房オフ会(略称KAP)の読書会の開催が決まりました。

日時:11月23日(月・祝) 午後1時ー5時
開場:12時50分
場所:京都市右京ふれあい文化会館 第一会議室

読書会の課題本:『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮文庫)
その中から、「闖入者」「ノアの方舟」「詩人の生涯」「手」の4作品を取り上げます。
主宰人:hirokd267(岡田)・w1allen(岡)
司会・進行:岡、岡田
広報:岡

内容:(1)自己紹介
   (2)作品が書かれた背景やトピックなどの簡単な説明
   (3)フリートーク
(4)発表されたい方も歓迎しますので、事前に仰って下さい

その他:途中参加も歓迎です。飲み物(酒類は不可)は各自で用意してください。軽食の持ち込みもできます。

二次会:懇親を深めるため、二次会で和気あいあいと飲み、語りあいたいと思います。学生さんにも気軽に参加していただけるように設定します。二次会のみの参加も歓迎です。
会場:餃子の王将 花園店(予定)
費用 3000円以下(コース料理ではなく、自由に注文する形式です)
注意:喫煙不可

なお一次会の費用は 会場費分の割り勘です。
大体、200円-400円の予定です。

申し込み:ここでも申し込みできますが、できればでツイッターで@hirokd267宛にツイートまたはRT(リツイート)で「参加申し込み」と書いてください。

ツイッターの会員登録は無料です。この機会に是非アカウントを取得されることをお勧めします。読書会の情報をそちらでたびたび発信していますので。
万一、アカウント登録に失敗した場合は、w1allenまで連絡して下さい。

では、皆さまのご参加を心からお待ちしています。
不明の点がありましたら、遠慮なくお尋ね下さい。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

『水中都市・デンドロカカリヤ』読書会のお知らせ

 投稿者:w1allen  投稿日:2015年 5月29日(金)05時17分51秒
返信・引用
  第7回関西安部公房オフ会(略称KAP)の読書会の開催が決まりました。

日時:7月18日(土) 午後1時ー5時
開場:12時50分
場所:京都市右京ふれあい文化会館 第二会議室

読書会の課題本:『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮文庫)
主宰人:hirokd267(岡田)・w1allen(岡)
司会・進行:岡、岡田
広報:岡

内容:(1)自己紹介
   (2)作品が書かれた背景やトピックなどの簡単な説明(岡)
   (3)フリートーク
      (4)発表されたい方も歓迎しますので、事前に仰って下さい

その他:途中参加も歓迎です。飲み物(酒類は不可)は各自で用意してください。軽食の持ち込みもできます。

二次会:懇親を深めるため、二次会で和気あいあいと飲み、語りあいたいと思います。学生さんにも気軽に参加していただけるように設定します。二次会のみの参加も歓迎です。
会場:餃子の王将 花園店(予定)
費用 3000円以下(コース料理ではなく、自由に注文する形式です)
注意:喫煙不可

なお一次会の費用は 会場費分の割り勘です。
大体、200円-400円の予定です。

申し込み:ここでも申し込みできますが、できればでツイッターで@hirokd267宛にツイートまたはRT(リツイート)で「参加申し込み」と書いてください。

ツイッターの会員登録は無料です。この機会に是非アカウントを取得されることをお勧めします。読書会の情報をそちらでたびたび発信していますので。
万一、アカウント登録に失敗した場合は、w1allenまで連絡して下さい。

では、皆さまのご参加を心からお待ちしています。
不明の点がありましたら、遠慮なくお尋ね下さい。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

掲示板名の変更

 投稿者:w1allen  投稿日:2015年 5月23日(土)11時34分28秒
返信・引用
  私が、もぐら通信を辞任したことに伴い、本掲示板の名前を「安部公房掲示板」と改めました。この1年書込みできませんでしたが、これから活発にしたいと思っています。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm

 

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