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稲垣さんの言語論が興味深いです。
本質的に内部に留まらざるを得ない言語も、変容し生成される。
それは、外部との交通があるからではないかと氏は考察されています。
わかりやすく、自国語が変容するのは、外国語のためではないかと
仰っています。
さらに、作家にとっての内部と外部を語っておられます。
体系の内部で格闘するが、その際、外部の気配を察することによって、
新しい表現が生まれるのではないか?
私は、この部分に、「内部から外部への脱出」という言葉を連想しました。
さらに、『けものたちは故郷をめざす』にも言及されています。
行けども行けでも故郷(日本)に辿りつけないストーリーを書いた安部公房に
とって、中国大陸はの地平線は、そのまま言語体系の地平線に見えたの
ではないか?
必死に、外部への脱出を図ろうとした安部の姿が、浮かぶ文章でした。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm
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