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いつもながら、臨場感あふれた見事な劇評でした。今年は、多くの安部公房の演劇が上演されましたが、大半は関東での公演であり、関西に住む私やhirokd267は、足を運ぶことが出来ませんでした。そんな中、ホッタさんの的確な劇評は、我々の様に観に行けなかった者に対して、その演劇がどのようなものであったのかを垣間見ることの出来る貴重な文章であると同時に、その公演を観た人にとっても、安部公房の意図と今回の上演の意図の比較などを通して、より深く演劇が楽しめるガイドブックでもあったと思います。
舞台の配置などについての説明もあり、分り易くかつ深みのある文章でした。
安部公房の指示では、三役を一人の俳優に演じさせることとあり、三景を「人間の一生の象徴」と解釈も出来ましたが、今回の上演では、別人に演じさせたことによって、統一感を犠牲にする代わりに、解釈の幅を増したとのこと。
また、”現代社会とは人間がすでに「なにかに変身してしまった」世界である”とは至言だと思いました。安部公房の数々の変形譚も、そういう視点から捉え直すと、非常に面白いと思いました。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/novel.htm
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